古来、五十崎は和紙の原料となる楮・三椏を多く産し、紙漉きの盛んな町でした。
五十崎和紙の歴史は古く、確かな記録では、350年前から大洲藩の収入源として大いに振興しました。
町を囲む山と、町を流れる川の恵みから生まれた手漉き和紙は、幾代もの人によって、その知恵と技が伝えられてきました。
五十崎では、昔から匠たちが自らを、生涯半人前であるととらえ、またそういう心持でいるべきと考え、照れと少々の自戒の念をこめて、自分や朋輩を「・・・大工じゃげな」「・・・鍛冶屋じゃげな」といいます。
かつては大洲藩の財政を潤し、いつしか日本の伝統工芸品に指定されることになった「大洲手漉き和紙」ですが、私たちは地域の自然環境や先人の知恵を未来へ遺し伝えるべく、和紙を用いて現代社会へ新たな提案をしていきたいと考えております。
五十崎和紙を世界に発信していくにあたり、フランス語の頭文字 Ja=Japon(日本)、Gué =Gué rison(癒し)、Na=Naturel(自然)と、先述の五十崎の方言である「・・・じゃげな」の思いを重ねて、ブランド名を「Ja-Gué -Na」としました。
五十崎は、町の中を小田川が流れ、道沿いに瓦葺の家並みが建ち並びます。
緑深き霧の多い町は、竹林に風がゆらぎ、風の神が降り立つ地とも言われております。
豊かな自然-森と川-の資源を元に、五十崎には多くのものづくり文化が今なお息づいています。昔は、全ての生活用品は小田川流域で調達され、人々の手によって作り出されてきました。今でも和紙をはじめ、桐下駄や凧などが産業として残っています。
大凧合戦は400有余年の歴史を持ち、県無形文化財にも指定されている五十崎の伝統行事です。毎年5月5日、小田川をはさみ数百統の大凧が空中に乱舞、“ガガリ”と呼ばれる刃物で相手の糸を切り合う勇壮なものです。
また、凧踊り、子供凧合戦、大凧出世太鼓ほか、観光客が体験できる観光凧揚げも行なわれています。